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下水道普及率は全国79.7%、徳島県18.4%(令和元年度末)――地域格差とその歴史

バキュームカー

下水道普及率は全国79.7%、徳島県18.4%(令和元年度末)――地域格差とその歴史

【クラシアン】日本下水道協会が発表している下水道の普及率データ。総人口に対する下水道利用人口の割合が示されており、それによると日本では約3人に2人が下水道を使用しています。下水道の歴史と、普及率の地域格差が生まれる理由についてご紹介します。

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下水道普及率から考える快適な暮らし

汚水

普段意識することは少なくても、生活に欠かせないインフラである下水道。その普及率は、公衆衛生環境を考える上で一つの指標となっています。公衆衛生は、健康で文化的な生活を営む上で保障されるべきものですが、下水道はあって当たり前の設備ではありません。その普及率の地域差や、日本に下水道が整備された経緯についてご紹介します。

下水道の歴史――整備を進めた感染症拡大

感染症予防のために手洗い・うがいをした水が流れていく下水。その水を適切に処理して海や川に放出するために、下水道が重要な役割を担っていることは明らかです。そもそも下水道が普及した背景にも、感染症拡大を食い止める目的がありました。

ヨーロッパでの下水道整備

産業革命以降、ヨーロッパでは都市部に人口が集中するようになりました。しかし当時はまだ下水道が整備されておらず、し尿は庭や道路に投げ捨てられていたのです。そんな中、各地でコレラなどの伝染病のパンデミックが発生。これらの流行を防ぐには下水道整備が重要という説が唱えられ、ヨーロッパやアメリカなどの各国で下水道の普及率が向上していったのです。

日本で下水道が普及しはじめたのは約50年前

古くからし尿を肥料として活用していた日本。明治17年には日本ではじめての近代下水道が作られましたが、それが全国に広がることはありませんでした。肥料とすることが一般的だったからこそ、ヨーロッパのように街路に投げ捨てるということがなかった代わりに、下水道がなかなか普及しなかったという側面もあります。

下水道の整備が本格化したのは、都市部への人口集中が進んだ戦後の高度経済成長の時代。産業の発展による工場排水などの問題により、河川の水質汚濁も問題となりました。そこで昭和45年の下水道法の一部改正で「公共用水域の水質保全」が下水道法の目的に加わったこともあり、普及率が向上していったのです。

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地域により下水道の普及率に差が出る理由

下水道普及率

日本下水道協会の発表をもとにクラシアンが作成 ※福島県の一部を除く

下水道の普及率に地域格差があるのは、都道府県別のグラフを見れば一目瞭然。広く普及しているのは人口密度が高い地域、普及が進んでいない地域は人口密度が低い地域と言えそうです。では、下水道の普及率が低いことは悪いことなのでしょうか?

下水処理の方法は、複数の住戸の下水が集合処理される下水道だけではありません。ほかにも、集落ごとに処理施設を設ける集落排水事業や、家庭ごとに合併浄化槽を設置して処理する個別処理の方法もあります。下水道には敷設する際の建設費に加え、安全かつ衛生的に使用を続けるため維持管理コストも必要です。人口密集地では下水道による集合処理の方が効率が良いものの、そうでない地域では浄化槽で個別処理した方がコスト的に優位性があるのです。

そのため人口が密集していない地域では、下水道の普及率が低い傾向に。今後、過疎化が進む地域では、下水処理の在り方を問われることになっていくでしょう。

下水道以外の下水処理方法

都市部に住んでいる人には馴染みがないかもしれませんが、下水道以外の下水処理方法にはどういったものがあるのでしょうか。

集落排水事業(農業・漁業・林業)

集落排水事業とは、農業・漁業・林業などの各集落地域から排出される生活排水やし尿などの下水を、それぞれの地区の処理場できれいに処理して海や川に放出する公共事業です。
各集落のトイレが水洗化されて快適になり、基礎的な生活環境が改善。生活雑排水の垂れ流しがなくなり、悪臭や用排水の水質汚染を防いで地域の水循環を健全に保ちます。

浄化槽

下水道が普及していない地域や、下水道への接続工事を行なっていない家庭では、浄化槽を設置して下水を処理します。浄化槽は、下水を微生物(バクテリア)の働きによりきれいな水に変えて海や川に放出する仕組み。汲み取り式と違って虫がわきにくく、悪臭が上がってくることもありません。

浄化槽の定期点検や清掃などの保守は所有者が行うように法律で義務付けられています。一般的には、自治体に登録されている専門業者(浄化槽管理士)に定期的な保守管理を依頼。年4回程度の点検と、年1回以上のバキュームカー(し尿運搬車両)による回収・清掃を実施します。
※頻度は利用状況や大きさ・処理方式などによる

汲み取り式

バキュームカー

いわゆる「ボットン便所」です。し尿は浄化槽ではなくタンクに貯められ、定期的に巡回するバキュームカーが2週間に1回程度の頻度で回収。しかし、キッチンやお風呂から出る生活雑俳水は、そのまま地下浸透または河川などに放流されています。

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下水の適切な処理で地域の水循環を健全に

下水道の普及率が低いからといって、それが暮らしの快適さに直結している訳ではありません。しかし地域の水循環を健全に保つためには、下水の適切な処理が欠かせません。もし浄化槽の設置も下水道への接続もされていないのであれば、早めの対処をおすすめします。

  • 欧米で下水道が普及したきっかけは感染症拡大
  • 日本では高度経済成長の時期に下水道の普及率が上昇
  • 人口密度により下水道の普及率には地域差がある
  • 集合処理よりも浄化槽での個別処理の方が適した地域もある

浄化槽や汲み取り式から処理方法を変更し、下水道へ接続する排水工事を行う場合は、指定工事店であるクラシアンにお任せください。トイレを水洗化するリフォーム工事まで、丸ごとお任せいただけます。

 

クラシアンのトイレリフォーム

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