

洗濯機の排水口が汚れる理由と掃除方法、排水ホース(トラップ)の外し方を解説

洗濯機の排水口が汚れる理由と掃除方法、排水ホース(トラップ)の外し方を解説
【クラシアン】洗濯機の排水口を日常的に掃除している方は少数派かもしれません。普段あまり目につかない位置にあるため、トラブルに発展してから慌てて対応することが多い場所。そこで今回は、洗濯機の排水口が汚れる原因と掃除のやり方、予防方法をご紹介します。
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クラシアン編集部
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洗濯機排水口のメンテナンス周期:プロが推奨するタイミング
洗濯機の排水トラブルを防ぐため、以下のメンテナンス周期を守ることが重要です。
定期メンテナンスの目安
排水口と排水トラップの掃除は月1回が理想です。「面倒だから年1回でいい」と思われがちですが、月1回の5分掃除で、年1回の大掃除2時間を回避できます。
排水ホースの交換時期は2〜3年が推奨されます。「まだ使えるから」と5年以上使い続けると、ホース内部にヘドロ状の汚れが蓄積し、さらに経年劣化で硬化したホースは、掃除で動かした際に亀裂が入り、水漏れ事故につながるリスクが急激に高まります。
予防的な交換は3,000円程度で済みますが、水漏れによる床の張り替えとなると10万円以上の出費になることも。早めの交換が結果的に経済的です。
洗濯機の排水口が汚れる原因は?

洗濯機の排水口はあまり目に付かない場所にあるため、普段から気にかけて生活している人は少ないでしょう。
洗濯機が排水エラーになる、なぜか洗濯パン(防水パン)が水びたしになっている、洗濯機付近から悪臭が漂っている……という場合、もしかしたら原因は排水口かもしれません。こまめに掃除しにくい洗濯機の排水口は、汚れに気づいた時にはトラブルに発展しているというケースがしばしば。洗濯機の排水口汚れの原因となっているのは、主に以下のものです。
- 洗剤カス
- 糸くずや綿ぼこり
- 洗濯物の泥汚れや垢
- 毛髪
洗濯機の排水口が詰まる原因:現場データが示す真実
クラシアンが年間対応する洗濯機の排水トラブルを分析すると、原因の第1位は「糸くず・綿ぼこり」です。これに「洗剤カス」「髪の毛」などが続きます。
つまりの程度によって修理費用は大きく変わります。初期段階なら基本料金8,800円(税込)〜で解決できますが、配管の奥まで詰まると高圧洗浄が必要となり、30,250円(税込)〜と3倍以上の費用がかかってしまいます。「最近流れが悪いな」と感じたら、早めの対処が賢明です。
冬場に急増する排水トラブル:粉末洗剤の落とし穴
洗濯機の排水口つまりは、実は冬場に集中します。水温が10℃以下になると溶け残った粉末洗剤が他皮脂や糸くずなどと混ざり合ったり、皮脂汚れが排水管内で固まり、まるでラードのように配管を塞いでしまうのです。
特に注意が必要なのは、粉末洗剤と柔軟剤を併用しているご家庭。両者が混ざると粘度の高い塊になりやすく、つまりのリスクが跳ね上がります。
予防策は簡単です。月に一度、40〜50℃のお湯(熱湯は配管損傷のためNG)を洗濯槽に入れて空運転するか、バケツ一杯分を排水口に流すだけ。この習慣で冬場のトラブルの多くを防げます。
洗濯機の排水口掃除のやり方〈はじめる前の準備〉
洗濯機の排水口の掃除方法をご紹介する前に、そのために必要な道具と排水口パーツの取り外し方法からご説明します。
排水口掃除の道具
排水口のパーツを分解するのに工具は必要ありません。掃除用具として下記を用意しましょう。
- 排水を受けるバケツやたらいなど
- 雑巾
- ゴミ袋
- 掃除用ブラシやスポンジ
- パイプ洗浄剤
- 浴室用洗剤
- 必要に応じてゴム手袋
排水口パーツの取り外し方法
最近では、洗濯機の排水口部分には排水トラップが設けられ、排水エルボ(鉤型の接続部品)で排水ホースを接続するのが一般的。ここでは集合住宅によく設置されている洗濯パン(防水パン)の排水口を例に解説していきます。
1. コンセントを抜き蛇口を閉める
掃除中に万が一水漏れや漏電などが起こると感電する恐れがあるので、必ず洗濯機の電源を切ってコンセントを抜きます。
2. 排水ホースを引き抜く
雑巾を敷いてホース内に残っていた排水の漏れ出しに備え、排水エルボごと上に引き抜き取り外します。排水ホースの先端部分は用意しておいたバケツやたらいに移し残水を処理します。洗濯機と洗濯パンの間に手の入る十分に隙間(10㎝前後)が無い場合は、床や壁を養生してから洗濯機本体を洗濯パンから降ろします。
かさ上げされていて隙間が十分にある場合には、洗濯機はそのままでお掃除や排水口パーツの分解ができます。
3.排水口周辺を掃除する
排水口パーツを分解した後に綿ぼこりや洗濯バサミなどが排水口内に落下しないよう、周囲をキレイにしておきましょう。洗濯パンの汚れがひどい場合は、薄めた浴室用中性洗剤を付けた雑巾で拭き掃除します。
4. 各パーツを取り外す
排水エルボが差し込んであった目皿、その中の排水筒、泡防止パイプなど、外せるパーツを取り外します。
長年掃除していないと、目皿や排水筒が固着して外れないことがあります。しかし工具などで力任せに外そうとすると、破損したり排水トラップ本体部分が回ってしまったりする場合も。排水トラップの脱落や床下への水漏れを引き起こしますので、外せない時は無理をせずクラシアンにご連絡ください。
その他水のトラブル・水漏れ(洗濯機まわり・受水槽・寒冷地作業)についてのサービスと料金 | クラシアン
【注意】「固くて回らない」を無理やり外すとどうなる?
長期間掃除をしていない排水トラップは、洗剤カスや汚れが接着剤のようになり、ガチガチに固着していることがあります。
実際にあったトラブル事例:
「力任せに回せば外れるだろう」と工具を使って無理に回した結果、プラスチック製のトラップ本体や接続部の塩ビ管にヒビが入ってしまったケースが多発しています。
破損した場合の修理費用目安(クラシアンの場合):
プロに依頼してつまりを除去するだけなら8,800円(税込)~で済みますが、無理をして配管を破損させたり、水漏れ調査が必要になったりすると、18,150円(税込)~(漏水調査)の費用が必要になります。
プロからのアドバイス:
男性が手で回してもびくともしない場合は、すでに「一般の方には対処できないレベル」の固着です。高額な修理費になる前に、無理せずご相談ください。
排水口の掃除方法
洗濯機の排水口パーツを取り外したら、排水口内と各パーツを以下の手順で掃除します。
- 排水口内の掃除
手が届く範囲に目立つヘドロ汚れや毛髪などがあれば取り除き、ゴミ袋に捨てます。掃除用ブラシやスポンジと浴室用洗剤を使って掃除するのも良いですが、スポンジなどを奥につまらせないよう注意してください。 - パイプ洗浄剤を注入
排水口にパイプ洗浄剤を注ぎ入れ、手の届かない排水管まで洗浄します。パイプ洗浄剤の使用量や放置時間といったやり方は洗浄剤の使用方法を確認してください。 - 排水口パーツを掃除
洗面台やバケツなどで外したパーツを洗います。ヘドロ汚れなど、あらかじめ取り除ける汚れはゴミ袋に捨てましょう。浴室用洗剤を溶かした水に漬け置きし、汚れを浮かせてからブラシやスポンジでこすり洗いします。 - パイプ洗浄剤を水で流す
排水口に注入したパイプ洗浄剤の規定時間が経過したら、充分な量の水を排水口に注ぎ込みます。排水口から水が溢れ出ないよう、コップなどを使って注意しながら入れましょう。 - 排水口パーツを元に戻す
取り外した時と逆の順番で排水口パーツを元に戻します。排水エルボを取り付ける前に、必ず排水トラップ部分に水を注ぎ入れ、排水口からの悪臭が上がってこないようにしましょう。
組み立て失敗を防ぐ「写真記録術」
洗濯機の排水口掃除で最も多い失敗が「元に戻せなくなる」ことです。特にホースクリップの位置を間違えると、そこから水漏れが発生します。
プロが必ず行う失敗防止策は「分解の各段階でスマートフォンで写真撮影」です。撮影ポイントは、①全体像、②パーツの向き、③ホースクリップの位置(ホースの跡に注目)の3点。この記録があれば、確実に元通りに組み立てられます。
洗濯機の排水口汚れの放置が招くトラブル
洗濯機の排水口掃除を怠っていると、さまざまなトラブルが発生します。理由がわからずにいたトラブルの原因が排水口の汚れにあったというケースもあるかもしれません。
そのため、定期的に排水口の掃除を実施することが大切ですが、洗濯機の排水口は掃除をしにくい場所なので、気をつけていてもトラブルが起こってしまうこともあります。
洗濯機の排水口の汚れを放置すると、次にご紹介する3つのトラブルが起きてしまうことがあります。
つまりによる排水の逆流
洗濯機の排水口の汚れの原因は、洗剤カス・糸くずや綿ぼこり、泥汚れや垢・毛髪などで、掃除を怠ると、それらは排水口に蓄積されていきます。
排水口に汚れが蓄積されているとつまりが起こり、排水が逆流して排水が溢れかえるというトラブルに発展することがあります。
つまりによる洗濯機の排水エラー
排水口に汚れがたまってつまりが発生すると、洗濯機からの排水ができず、洗濯機の脱水中にエラー停止してしまうことがあります。排水口がつまっていることに気づかないと、なぜ洗濯機がエラーを起こしているのかがわからず適切に対応できないでしょう。
排水口がつまっていないのにも関わらず排水エラーが起きる場合は、洗濯機の機械トラブルの可能性が。また、排水ホースの折れ曲がりや凍結が原因となって起きる場合もあります。排水エラーが発生した場合は排水ホースの状況もご確認ください。
排水口からの悪臭
定期的な掃除や排水管洗浄をせずに汚れが蓄積していくと、排水口から下水のような悪臭が漂ってくることがあります。
通常は排水トラップに水が溜まっており、空気の通り道を塞ぐことで臭いを防ぐ役割を果たしています。
しかし、排水口がつまると配管内の空気が乱れて、トラップの水が減ってしまい、配管内の悪臭が逆流してしまいます。排水口から臭いがする場合は、排水トラップに水が張ってあるかを確認してみましょう。
ご紹介するような排水口の掃除をやってみても臭いが改善しない、洗濯機の排水がうまくいかない、洗濯パンに水が溜まっているなど、洗濯機まわりのお悩みはクラシアンにご相談ください。
洗濯機の排水口トラブルを防ぐ方法
掃除が後まわしになりがちな洗濯機の排水口ですが、普段の暮らしでの少しの心がけでトラブルの発生を抑えることができます。
洗濯機の使用時や定期的な清掃についての下記のポイントを意識して生活しましょう。
- 糸くずフィルターの掃除
縦型洗濯機の場合は使用するたび、ドラム式洗濯機は2〜3週間に1回程度の頻度で掃除します。タオルや毛布のように糸くずが出やすい洗濯物が多い家庭は、特にこまめな掃除を心がけましょう。 - こまめな洗濯槽洗浄
洗濯槽をあまり洗浄しないでいると、蓄積した大きな汚れが排水口に流れていき、つまってしまうことがあります。洗濯槽の洗浄はこまめに行うようにしましょう。 - お風呂の残り湯の使用を控える
お風呂の残り湯を使用して洗濯すると節水になります。しかし残り湯には垢や毛髪などが混じっているため、排水口の汚れを助長することに。排水口の掃除をこまめにできない場合は、残り湯の使用は避けた方が良いでしょう。 - 排水ホースを交換する
排水ホースの汚れが激しい場合、新しいものに交換すると良いでしょう。軽度の汚れであれば、排水口掃除の時に取り外して洗浄すれば充分。やり方は、ホース内に浴室用洗剤を溶かした水を注ぎ、ラップで口部分を塞いで輪ゴムで止め、ホースを振ればキレイになります。 - 排水管を洗浄する
排水口を掃除しても、その奥の排水管内が汚れているとつまりトラブルを招きます。業者による定期的な排水管高圧洗浄で排水管をキレイに保っておくことも大切です。
いくら気をつけていても、排水口のトラブルが起こってしまうことはあります。軽度のトラブルであればご自身で解決することも可能ですが、深刻なトラブルの場合は水道修理業者に依頼したほうがよいでしょう。
特に、ご自身で確認してみても原因や対処法がわからない排水口のトラブルの場合は、24時間受付のクラシアンにお気軽にお問い合わせください。
洗濯機の排水口掃除まとめ
今回は、洗濯機の排水口の汚れの原因や、それを放置した場合に起こりうるトラブル、汚れの掃除方法についての情報をお伝えしました。
排水口の汚れを放置してしまうと、悪臭が発生するだけでなく、排水管のつまりによる排水の異常などの深刻なトラブルに繋がってしまうこともあります。そのため、日頃からこまめな掃除を意識的に行うことが重要です。また、トラブルを防ぐために、普段の生活で以下のポイントを抑えておきましょう。
- 排水口汚れの原因は石鹸カスや糸くず、泥汚れなど
- 汚れが蓄積すると排水の逆流や排水エラーが起きる
- 排水口のパーツは取り外して掃除できる
- 日頃の心がけで排水口汚れによるトラブルは抑えられる
洗濯機の排水口をこまめに掃除していても、トラブルが起きてしまう場合があります。そのような時は、お近くの水道修理業者に相談してみましょう。
クラシアンでは、洗濯機の排水口のトラブルにも24時間365日受付で対応しております。お困りの際はお気軽にご相談ください。
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