マンションポンプの交換・修理のタイミングとは-故障原因と対処法

1. マンションで使われるポンプの種類
2. マンションの給水ポンプの交換・修理タイミング
3. マンションポンプの故障原因
4. ポンプが停止していたら
5. マンションポンプのトラブルはプロに依頼がおすすめ
6. ポンプの交換・修理を依頼する時に気になること
7. 定期的なメンテナンスでトラブルを回避

マンションで使われるポンプの種類

マンションで使われるポンプには種類があり、給水方式によって使い分けがなされています。
3種類の給水ポンプとそれぞれ適した給水方式について紹介していきます。

加圧給水ポンプ

加圧給水ポンプは加圧給水方式で使用されます。
水道管から一度、受水槽に水を貯めて、ポンプで各水栓類に水を送ります。
災害時等に断水になった場合でも受水槽に貯められた水を利用でき、高置水槽が不要なため、美観を保つことができるのが利点です。
ただし、気を付けないといけない点として、受水槽は一日の使用水量の40～60%程度を標準水量として貯めるように定めています。
災害時には水を溜める住人が多く、緊急時用の水は2～3時間しか持たないのが実状です。
また、停電時にはポンプ等が停止してしまうため給水できない点には理解が必要です。

揚水ポンプ

揚水ポンプは高置水槽給水方式で使用されます。
水道管から一度受水槽に水を貯め、揚水ポンプで屋上などに設置された高置水槽に水を圧送します。
重力で各水栓類に水を送るため、停電になった場合でも高置水槽に貯められた水を利用することができるのが利点です。
断水時や災害時にも水を確保できますが、高置水槽が必要になるため、建物の美観を重視する場合は注意が必要です。
主に高経年マンションやビルで用いられています。

増圧ポンプ

増圧ポンプは直結増圧給水方式で使用されます。
水道本管からの圧力をそのまま利用し、増圧ポンプを経て直接各住戸に給水する方式です。
この方式は、主に中規模の中高層マンションやビルが対象となります。
受水槽も高置水槽も不要で、水質を落とさずに水を供給できる方式です。
ただし、受水槽が無い分災害時にはすぐ断水してしまうことと、自治体によっては採用が難しい方式でもあるので、導入の際は下調べや準備が必要になります。

マンションの給水ポンプの交換・修理タイミング

マンションやビルの給水ポンプは頑丈なため、そう簡単に故障することはありませんが、経年劣化は必ず起きてしまいます。
トラブルが起きてからの対処では遅いこともあるので、ここからは交換・修理タイミングについて紹介していきます。

耐用年数・寿命

マンションやビルの給水ポンプの耐用年数・寿命は、おおよそ10~15年とされています。
もちろん、建物の大きさや毎日の給水量、定期メンテナンスの頻度などの要因によって変化しますが、経年劣化が起きる目安として念頭に置いておきましょう。
使用年数が長ければ長いほど給水ポンプの故障リスクは高くなります。
特に10年近く使用している給水ポンプで何か異変が起きていたら交換のサインかもしれません。
日頃から定期点検を行い、故障が起きる前に対処することが重要です。

部品の故障

マンションやビルで使用される給水ポンプ自体は頑丈で耐用年数・寿命も長いため、不具合が起きた場合は部品の故障によるものが多いです。
もし耐用年数・寿命に余裕があるにも関わらず、故障や不具合が起きた場合は部品に何らかの問題があるかもしれません。

マンションポンプの故障原因

マンションポンプが故障してしまう原因はいくつもあります。
マンションの給水ポンプの故障原因を列挙して紹介するので、思い当たる節がないか確認してみてください。

【主な故障原因】

連結部ゴムパッキンの劣化・破損による水漏れ
加圧ポンプ（メカニカルシール）回転軸の水漏れ
揚水ポンプ（グランドパッキン）回転軸の多量水漏れ〈少量は正常です〉
異物のつまりによる水量の低下
ネジの緩みによる騒音
漏電などによる発熱
制御盤の誤作動・基盤の破損による1号機・2号機の切り替え不良
圧力スイッチ/圧力センサーの不具合による水圧低下
モーターファンの破損による水圧低下
圧力タンク（アキュムレータ）の故障によるモーター発熱　　等

この他にも故障の原因は考えられますが、専門的な部分にもなりますので、故障原因がわからない場合はプロに相談するのが得策でしょう。

ポンプが停止していたら

給水ポンプが停止していた場合、電気系の点検が必要になります。
故障の可能性も考えられますがまずは電気系に何か起きていないか確認するようにしましょう。

ブレーカーの確認

給水ポンプの主電源にはブレーカーが付いており、大きな電圧がかかると落ちるようになっています。落雷などが原因で落ちてしまうことがあるので、ブレーカーを一度リセットして、スイッチをあげてみてください。ただし、給水ポンプの絶縁が落ちている場合、漏電している可能性があります。
絶縁不良が起きている時に、ブレーカーを上げて運転を「ON」にするとブレーカーがすぐに落ちてしまいます。その場合は、無理に何度も上げないようにしてください。

マグネットスイッチの確認

マグネットスイッチはポンプに動力を送る電圧を起動・停止する役割を持っています。
経年劣化によってマグネットスイッチの接点が溶着して破損してしまうことがあるため、定期的な点検が必要です。
もし、接点が破損していた場合は同じ型のマグネットスイッチに交換する必要があります。

フロートレスユニットの確認

フロートレスユニットとは、制御盤の中に白い小さな四角い箱のようなものが並んでいる部分を指します。
これは受水槽や高置タンクの水位を検知する電気信号回路です。
特に揚水ポンプなどでは、水槽の水位が下がると電気信号を送ってポンプを起動させ、給水する仕組みになっています。
フロートレスユニットの電気信号回路が誤作動を起こすことがあり、それによりポンプが停止し、断水となってしまうことがあります。
その場合はフロートレスユニットの交換が必要になるので、早めに対処するようにしましょう。

マンションポンプのトラブルはプロに依頼がおすすめ

マンションポンプのトラブルは電気系統の修理や専門知識が必要な修理であることが多いため、プロに依頼する方が良いでしょう。
特に電気系のトラブルでは感電の恐れもあるため、よく知らないままに操作するのは危険です。
また、特殊な道具や点検が必要になることも大いに考えられます。
プロに任せて安全かつ確実に修理してもらうようにしてください。

クラシアンでは、これまで800社を超える企業様の水まわりに関するお悩みを解決してきました。

クラシアンでは、47都道府県全国にある拠点から自社スタッフが最短30分で駆けつけ。急な水まわりのトラブルに迅速に対処いたします。

実際にクラシアンをご利用された企業様からの満足度も99.5%と非常に高く、安心してお任せいただけます。

マンションポンプのトラブルがございましたら、ぜひクラシアンまでご相談ください。

クラシアン「緊急駆けつけ」サービスの詳細

ポンプの交換・修理を依頼する時に気になること

マンションやビルの管理会社やオーナーの方であれば交換・修理を依頼する際に費用や時間・勘定科目についても気になるところでしょう。
交換を依頼する際の判断基準にもなるかと思いますので、それぞれについて紹介していきます。

交換費用

マンションやビルで使用される給水ポンプの交換費用の目安として100万〜300万円程度が一般的な相場となっています。
基本的に100万円を大きく下回ることは少ないと考えて良いでしょう。
ただし、これらは大掛かりな交換工事の相場で、パッキンの交換といった比較的簡単な修理であれば、それほど修理料金にはなりません。
また、気をつけていただきたいのが、あくまでも相場は相場に過ぎないということです。
まずは見積もりを依頼して修理料金がどれくらい必要になるか確認してみましょう。

交換時間

マンションポンプの交換にかかる時間ですが、おおよそ5~6時間は必要になります。
作業環境や状況次第で、前後することはありますが、オーナーが同席できると手続き等はスムーズに進めることができるでしょう。

減価償却・勘定科目

金額にもよりますが給水ポンプのような給排水設備は15年の償却です。
給水ポンプの更新工事は修理ではなく買い替えと判断されることが多く修繕費か固定資産取得かで揺れることがあります。
困った場合は税理士に依頼して手続きを進めてもらうことをおすすめします。

定期的なメンテナンスでトラブルを回避

マンションポンプは頑丈な設備ではあるものの、経年劣化や部品の故障などによってトラブルが起きることも想定しなくてはいけません。
また、交換時期についても気を配り、可能であれば定期的な点検・メンテナンスを行うことが望ましいです。
特にマンションでのトラブルは多くの住人の生活に影響を出してしまいます。
トラブルが起きた後の対処も重要ですが、未然に防ぐことは更に重要と言えるでしょう。
現在、クラシアンではマンションポンプ交換・修理はもちろん、メンテナンスのご依頼も受け付けております。
些細なことでも水まわりに関する相談があれば、お気軽にご連絡ください。